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奄美小噺 Vol.4 実りの秋!奄美の秋の味覚「マコモダケ」

厳しい暑さが続いた夏が過ぎ、秋がやってきました。秋といえば実りの季節!お芋や栗、柿など美味しい旬の食べ物がたくさんありますよね。今回は奄美の秋の味覚「マコモダケ」について紹介したいと思います。

「マコモダケ」とは?

「マコモダケ」という名前を耳にしたことはありますか?名前からキノコの仲間かな…と思う方もいるかもしれません。

マコモダケとは水辺に育つ「マコモ」というイネ科の植物の新芽に黒穂菌(くろぼきん)という菌が寄生し、茎が肥大したものです。この肥大した茎の部分を食べるのですが、タケノコのようなシャキシャキした食感と、とうもろこしにも似たようなほのかに甘い風味がとても美味しいのです。奄美では「台湾ダーナ(タケノコ)」と呼ばれ、父が子供の頃は庭先で栽培している家庭も多くあり昔から親しまれている食材です。

私が幼い頃から母がマコモダケの炒め物や煮物などをよく作ってくれていたので、スーパーに並んでいる普通の野菜と同じように身近な野菜だと思っていたのですが、奄美を出て上京してからスーパーで目にしたことがなく、マコモダケが珍しい野菜だということを知りました。中華料理では高級食材として知られているらしく、いつも普通に食べていたマコモが!?と驚いたのを覚えています。

マコモは「神が宿る草」!?

あまり一般的に知られていないマコモですが、実はマコモは万葉集や古事記などにも記載されているほど昔から日本で親しまれている植物です。

お釈迦様がマコモの葉で編んだ寝床に病人を寝かせ治療したと言われ「神が宿る草」と呼ばれており、お清めや浄化のための霊草として神社で神事に使用されています。出雲大社では本殿のしめ縄に使用されており、過去には奄美で栽培されたマコモが出雲大社の神事に奉納されたこともあるんです。

実際にマコモには栽培するとその土と水を浄化する作用があるため、水質浄化にマコモを使用している自治体もあります。奄美では以前紹介したショチョガマなどのアラセツ行事が行われる龍郷町の秋名・幾里地区で盛んに栽培されており、休耕田を活用し地域おこしに繋げようと取り組んでいます。

マコモダケは栄養満点なスーパーフード

今回マコモダケについて調べて一番驚いたことが栄養価の高さと効能です。マコモには普段の食生活で不足しがちな食物繊維、ビタミン、ミネラル、クロロフィルが豊富に含まれているスーパーフードなんです。特に葉酸が豊富に含まれているので妊婦さんにもオススメです。またマコモに含まれるマコモ菌には腸内の善玉菌を増やして腸内環境を改善する働きがあります。他にも血圧抑制効果や、体内のデトックスを促し免疫力を上げる効果など本当に万能なスーパーフードです。

奄美ではマコモダケを料理で食べるほかに、最近ではマコモの葉を乾燥させ煎った「マコモ茶」もお土産店などで販売されています。子供の頃から何気なく食べていたものがスーパーフードだったということを知りとても驚いたのと同時に、奄美が長寿の島と言われる所以も改めて分かったような気がします。

マコモ茶はオンラインショップでも購入できるので、是非おうち時間に味わってみてはいかがでしょうか?コロナ禍の今、マコモで免疫力を上げて元気に過ごしたいですね。

文:佑美 イラスト:Yu Ikari

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