暑い夏を乗り切る奄美のパワーフード!

佑美

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7月26日「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録が正式に決定し、奄美大島はお祝いムードに包まれています。オリンピックの熱気も相まって今年はさらに暑い夏になっているのではないでしょうか。

猛暑が続く中、コロナウイルスの感染対策で暑い中でもマスクをしたりと大変な毎日が続きます。こんなに暑い日が続くと食欲が落ちたり身体がだるくなったり…なんとなく不調になりがちです。

夏バテかも…という時には、奄美の郷土料理からパワーをもらいましょう!奄美の郷土料理には、先人たちの知恵が詰まった夏を乗り切るパワーフードがたくさんあるんです。

老若男女みんなに愛される「鶏飯(けいはん)」

奄美のソウルフードといえば?と質問すると、島人誰もが「鶏飯(けいはん)」と口を揃えて言うのではないでしょうか。

錦糸卵・細かく割いた鶏肉・千切りした椎茸やパパイヤ漬けなどをご飯の上に乗せ、鶏がらスープをかけてお茶漬けのようにして食べるのが「鶏飯」です。

奄美大島が薩摩藩の支配下にあった時代、役人をもてなすために作られた料理なんです。最初の鶏飯は炊き込みご飯のようなものだったそうですが、現在の鶏ガラスープをかけるお茶漬けのような形になったのは昭和20年代と言われています。

子供から大人までみんなに愛される鶏飯は、夏の食欲が無い時でもサラサラと入っていきます。親戚が集まった時などに、たっぷりと鶏がらスープが入った大きな鍋をみんな囲んで鶏飯を食べる時間はとても楽しく特別な時間でした。早くまたあのような時間を過ごせるようになるといいなと思います。

私はご飯を少なめにして具とスープを多めに入れるのが好きな食べ方なのですが、ご飯を多めにしたり具を好きなものだけ入れたり…と自分の好みで好きなようにアレンジできるのも鶏飯の魅力です。

奄美では鶏飯を出しているお店が多数あり、お店によって味が違うので自分の好みの味を探して食べ歩いてみるのも楽しいと思います。

家庭で作ると錦糸卵を作ったり鶏肉を割いたり…と意外と時間がかかるのですが、お湯をかけるだけのフリーズドライのタイプや、具とスープがパッケージされたものもオンラインで販売されており、手軽に鶏飯を味わうことができます。

島人のパワーフード「ナリ味噌」

奄美大島は温暖な気候のため、食材が日持ちするように昔から味噌を使用した料理が数多くあります。いろんな食材を味噌漬けにしたり絡めたりして、お茶請けやおつまみ、おかずとしてよく食べます。ピーナッツと和えたピーナッツ味噌や、ニガウリ(ゴーヤー)や豚肉と一緒に炒めたニガウリ味噌。塩焼きにした魚の身をほぐし味噌と絡めた「ゆ味噌」(「ゆ」とは方言で魚のこと)など、他にもイカや豚レバーなど本当に様々なものを味噌と和えます。

島料理でよく使われる味噌というのは、普段私たちがお味噌汁で使うような味噌とは少し違っていて、ソテツの実(方言で「ナリ」と言います)と米麹と大豆を混ぜ発酵・熟成ささせた「ナリ味噌」というものを使用します。お味噌汁で使う味噌のような滑らかな「すり味噌」ではなく、少しパラパラとしていてナリや米のツブツブとした食感が残っている「粒味噌」なので他の食材と炒めたり絡めたりした時に食べ応えがあります。

このように島の郷土料理として当たり前のように食べている「ナリ味噌」ですが、原料となっているこの「ナリ(ソテツの実)」には毒があります。毒を抜くために何日も水にさらしたり乾燥させたりと、食用として使用するまでには相当な時間と手間がかかります。奄美の先人たちは毒のあるナリをどうして食べるようになったのでしょうか?それには大変な歴史的な背景があります。

薩摩藩の占領下にあった奄美大島はサトウキビ以外の作物を作ることが許されない厳しい時代が続きました。サトウキビが不作に陥ると島の人々は飢餓に苦しみ、飢えをしのぐため食べるようになったのがナリだったのです。ソテツは強風や塩害・干ばつなどに強く水がなくても育つほど強い植物なので、昔から奄美では畑の防風林や境界用として様々な場所に植えられており、ナリは手に入りやすく貴重な食料となっていました。ナリだけでなくソテツの幹もまた貴重なデンプンとして食料になっており、戦後の食糧難の時代もソテツが先人たちの命を繋いでくれたのです。

食欲の落ちるこの時期も、ナリ味噌を使った豚味噌やニガウリ味噌を食べるとご飯がどんどん進みます。味噌と炒めるときに鰹節を加えたり少し甘めに味付けをしたりと家庭ごとに味付けが少し違っており、島人にはそれぞれ「母の味」の味噌料理があります。ナリには鉄分やミネラルも豊富に含まれており奄美の先人たちの命の源ともなった、まさに「島人のパワーフード」です。

奄美の発酵ドリンク「ミキ」

一般的に神酒(みき)というと、神社でお祓いをした際などに飲む「お神酒」の日本酒をイメージすると思います。奄美のミキも昔から島の神事に使用する「お神酒」なのですが、日本酒とは違った飲み物です。

奄美のミキは、炊いたお米・すりおろしたさつまいも・砂糖を発酵させた飲み物で「お米のヨーグルト」と言われており、白くトロっとした食感でお粥とヨーグルトが混ざったような独特な風味がする発酵ドリンクです。

ミキには1mlあたり1億個ほどの豊富な乳酸菌が含まれており、ビタミンCやβカロテンなど栄養価も高く消化もいいため、夏バテで食欲が無いときや風邪を引いて体調がすぐれない時などの栄養補給として、昔から島人にとても重宝されてきました。最近では便秘改善の腸活や肌荒れ改善など美容にも効果があるとして注目されているんです。

島のスーパーには牛乳と一緒に紙パックに入ったミキが並んでいて、昔から島人に日常的に親しまれています。

祖父はミキが大好きで毎日飲んでおり幼い私にも飲ませようといつも分けてくれたのですが、私はミキが苦手だったのでいつも一口しか飲めず美味しそうに飲む祖父が羨ましかったのを覚えています。大人になり甘酒など発酵食品の美味しさが分かるようになった今、やっとミキも飲めるようになりました。昔は各家庭でミキが作られていましたが一般的には砂糖が入っておらず酸っぱい飲み物だったらしく、私の両親も子供の頃はミキが苦手だったそうです。

現在お店に並んでいるミキは砂糖が入っているので甘いですが、一度開封すると発酵が進みどんどん酸っぱくなっていきます。そのため酸味が苦手な方は、開封後なるべく早めに飲み切ることをオススメします。逆に酸味が好きな方は、開封して自分の好みの酸味になるまで発酵させると更に美味しく飲めると思います。また製造元によってミキの食感や酸味が少し違っているので、いろいろ飲み比べてみると自分の好みのものが見つかるかもしれません。最近ではパッションフルーツやすももの風味がついた商品も出ており、発酵食品が苦手な人でも飲みやすくなっています。ジュースや果物と混ぜたり、豆乳に混ぜ豆乳ヨーグルトのように食べたりと様々なアレンジが楽しめるのもミキの魅力です。

奄美のパワーフードをおうちで楽しもう!

今回紹介した奄美の郷土料理は色々なオンラインショップで販売されており、ご自宅でも島の味を楽しむことができます。この夏はおうちにいながら島時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?暑い夏も奄美のパワーフードで力をつけて楽しく乗り切っていきたいですね!

次回は実りの秋ということで五穀豊穣を祈る奄美の伝統行事を紹介します。

文:佑美 イラスト:Yu Ikari

奄美のパワーフードが買えるサイト

奄美産直いっちば

株式会社しーま EC事業部
〒894-0068 鹿児島県奄美市名瀬浦上町48-1-2F
営業時間:9:00-17:00(土・日・祝休)
TEL:0997-69-4681
https://icchiba.com

奄美の今を味わう通販ショップ がじゅまりん

合同会社フラスコ
894-0105  鹿児島県大島郡龍郷町大勝982 
営業時間:10:00-17:00(日・祝休)
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