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CULTURE

食卓を彩る器の衣替え

第2回目となる今回は暮らしの中の器、特に食との繋がりをテーマにお話をしてみようと思います。

前回の記事はこちら

ズボラ飯がほんの一手間で心躍る

ズボラ頂点の時は、お恥ずかしながら鍋のままラーメンを食べることもありました。しかし、「何でもいいや」と食器かごに出ているものに手を伸ばしがちなところを、ちょっとだけ手間をかけてラーメンにあう器に盛りつける。そうするだけで具なしインスタントラーメンがより美味しくなる気がしませんか?すると、「手間ついでに海苔でも一枚乗せてみようかしら?」となるのが不思議です。

忙しい時は、洗い上げた食器かごに出ているものだけで数日間、事足らせてしまいがちなのは私だけではないはず・・・と望みを込めて書きましたが、料理にあわせてほんの少しだけ食器にも気を遣う事で普段の食事に特別感が増すものではないかなと思います。

今は、コロナ禍で外食がしにくくなり自宅で極近しい人たちだけで食事をする機会が増えたのではないかと思いますが、ホームパーティーの様に料理を張り切る時には、お皿にもこだわってしまうものですよね。

なんてったって、友人を招いてのホームパーティーはセンス見せ場ですから。

お呼ばれしたホームペーティーでは、素敵な大皿に料理が美しく盛られ、さらに取皿やソースの器まで気の利いた物で出てきたときには、なぜか上から目線で「中々やるわね」と思ってしまいます。

初めて入ったレストランでも素敵な器で料理が出てくると、食べる前にまずテンションが上がりませんか?

器の裏に隠されているのは、〇〇

これは器好きのあるあるだと思うのですが、レストランで出てきた器の裏を見たくなります。流石に行儀が悪いなと思い我慢してみるのですが、我慢できず食べ終わった後にサッとみてしまったり・・・。

器の形状の中で高台(器の足の部分)は特に個性が出るところだと思います。高台には器の安定をもたらしてくれる効果や、持ったときに料理そのものの熱さが直接手に伝わらないようにしたりする大切な機能があります。

特に作家物の器で作り手の個性やこだわりが垣間見えるポイントでもあるのです。

高台いろいろ

形だけとっても、平たい高台に十字などに削りを入れた「割り高台」や、高台らしい立ち上がりがなく内側に削り混んだ「碁笥底(ごけぞこ)」、高台の下の部分に溝を入れた「二重高台」など様々。高台の足の部分には釉薬がかかっていない場合が多く、素材本来の色も見れるのに加えて裏に銘を入れてある場合も多いので、そこも見所です。

こんな感じでレストランで出された料理を前に挙動不審な人を見たら、裏を見たくてウズウズしている器好きな可能性大なので大らかに見てあげてください。

レストランって、高級店に行けば行くほどお皿にこだわっているお店が多いですが、それは料理から食事をする空間の全てをひっくるめて『食事をする時間』を楽しんでもらうことに主眼が置かれているからです。

たかが料理、されど料理

以前、聞いたことがある話では、京都にある高級料亭では食事が美味しいのはもちろん、お庭や室内の装飾にこだわっているのは、食事をする時間にお金を払っていただくという考え方があるそうです。ですから、もちろん器も重要視されており、料理とシチュエーション(例えば、結納であったり、接待であったり)、またお客様のお洋服にあった器が選ばれることもあるそうです。ですから、時には国宝級の器で料理が提供されることもあるのだとか。京料理とは料理だけでなく五感をフルに使って楽しむ料理を京料理と呼ぶなんて話がありました。

そう、冒頭でもお話ししましたが、同じ料理でもお皿が変わるだけで味が変わると思ってしまえる。実際に、味は変わらないのでしょうが、ひと手間とふた手間に増やしてみたりすることで、実際に味の変化が生まれますし、手から伝わる料理の温もりが、より美味しく感じさせてくれたりする場合もあります。

器の衣替えをオススメ!

職業柄つい陶磁器の話に偏ってしまいがちですが、器と言ってもジャンルは様々です。

漆器やガラス、バスケットだって立派な器です。生活の中に必ずある物だからこそちょっと特別感を出したりして変化を楽しむ。だからオススメは器の衣替えです。

蒸し暑い夏に冷やし中華をガラスや白磁の器に盛ったら一層涼しさを演出して美味しくなると思いませんか?一方秋冬は木の器や土物のゴツゴツした質感の器が料理との相性もいい。季節の変わり目に食器棚も衣替えしてみてはいかがでしょうか。

器の色

黒やメタリックでマットな質感の器は肉料理や鮮やかな野菜が映える、渋さが落ち着いた雰囲気を演出できますが、これからの季節、白い器はいかがですか。

透ける様に透明感のある白磁には、素材の色や釉薬によるとろりとした柔らかい白だったり同じ白でも色々な表情があります。白い器は無地のキャンバスの様に料理を引き立てやすいが、その分、形やライン、質感にこだわる事でまた一味プラスできます。また、暑い太陽の日差しと白のコントラストが心地よく、隣に冷えたビールを添えると、そこはまるで・・・・・なんてね。

もう一つは絵皿。一見、料理と合わせるのには曲者感がある絵皿ですが、華やかさをプラスしてくれる存在でもあるのです。もちろん盛りつける料理との相性を考えなくてはなりませんが、絵を料理の付け合わせの様に盛りつける事で一気に垢抜け、高級レストランでの食事感が出ます。

ニューヨークのトレンドは今

ニューヨークでは何年か前から空前の『土物』”ブームが巻き起こっています。

陶芸用語で『土物』と言うのは、陶器の事。陶器は陶土とよばれる粘土、つまり土が主な原料です。ガラス質を多く含んで透明感のある磁器とは異なり、冬季には粗めの質感があります。陶器の産地で有名なのは愛知県の常滑、滋賀県の信楽(たぬきのあれです)などがあります。

様々な色や質感を楽しめる土物の器は、釉薬の主張にも負けない素材力があるのだと思います。そして料理とも相性抜群。なんて事のない普通の芋の煮物が、質感のいい器に盛るだけであら不思議、「オシャレじゃない!」となるんです。例えるならゲレンデで見る女の子は普段の5割増しみたいな・・・。

話を戻して、ニューヨークでの人気は色々な土を混ぜ合わせて模様を出す「練り込み」という技法で作った物だったり、粒々が入った土を用いて釉薬の下からの主張もある物だったり大地の息吹的な感じの作品が多いですね。鉄分を多く含んで焼成後には味わい深いコーヒー色に変わる土だったり、それぞれの地域でしか取れない土もあるので、産地の特色にも興味が湧いてきたりもするのではないでしょうか。

そんな今旬な作家物の陶器を多く置いている素敵なショップを一件ご紹介します。

ニューヨークのおすすめのお店、Michele Varian (ミシェル バリアン)

長く拠点を置いたマンハッタンのソーホー地区からブルックリンに移って一年目、新店舗はブルックリンネッツの本拠地でもあるバークレイズセンターから程近いボーラムヒルと言う地域にあります。周りはレンガ作りの家が並び石畳の通りもあったりで、なんとも落ち着いた雰囲気。

明るく開放感のある店内は作家物の陶器はもちろんのこと、インテリア雑貨、照明、ジュエリーと暮らしを彩る物達で溢れ、ちょっと見るだけのつもりがつい買っちゃったとなってしまう感満載です。オーナーのミシェルさんが手掛けるオリジナルの家具、照明やテキスタイルのラインは圧巻のデザインセンスで店内に飾られた物と調和してこんなお部屋にしたいなと想像力をかき立てられます。本題の陶器作品も、鋳込みで作られた型物のディナーセットや、一点一点手作りのオブジェや花瓶など、見ていて飽きる事のないセレクション。ジュエリー棚に至っては、素敵すぎて近寄るのに心の準備が必要です。

ミシェルさんのセンスで集められた物一つ一つもさる事ながら、店内全体のスタイリングが絶妙で私的には1番の見所だと思います。海外旅行が安心してできるようになったら、ぜひ足を運んで見てください。ここでしか手に入らない物がきっと見つかるはず。

<Shop Information> Michele Varian

Address:400 Atlantic Avenue Brooklyn, NY 11217
Website: MicheleVarian.com
Instagram: michelevarian

Photo by michelevarian.com

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