食事と日常。奄美・有田の地元を紹介|ブラトラ

JAPAN

食材も食器も地産地消。有田焼に盛られた美しさの数々【アリタハウス】

知られざる佐賀の名産品との共演

さて、器選びといっても器をただ見て回るだけだと、普段の生活に落とし込んで選んでしまいがちだが、美しい料理と一緒に器を探してみてはいかがだろう。その料理が美味しければ美味しいほど、器探しの楽しみが増す。それで言うならば、有田にはもっとも相応しいレストランがある。

その名はアリタハウス(arita huis)。オーべルージュとして宿泊施設が併設されたアリタハウスで料理を振舞ってくれるのは若きシェフ。メルヴェイユ博多、サルヴァトーレクオモを経て、2018年4月よりスーシェフとしてaritahuis橋口シェフの下で、2020年8月からは22歳の若さで正式にaritahuisのシェフとなった増永琉聖シェフが振る舞ってくれる料理が有田焼の器に乗って提供される。

魚介を中心としたコース料理を堪能。新鮮な海の幸を思う存分堪能できるコース料理が嬉しい。

以前はお肉料理も提供されていたが、現在は魚介がメインとなっている。その理由は、「肉が面白くなくなった。魚は季節ごと、日ごとに仕入れられる魚が代わり、その日によって旬も鮮度も異なる。その日に出会った良い魚を調理していく事で、料理すること自体を楽しめ、驚きが生まれる。」そう、増永シェフ自身が楽しんで料理できることがポイントなのだ。その上で、肉料理はある程度、安定した味で仕入れることが可能だから、チャレンジできることが魚ほどはない。魚であれば自身の料理もまだまだ成長できる可能性があると考えている様だ。今の目標というか、考えていることとして、魚と野菜が主体で満足いくコース料理を作りたい。その心意気が逞しくもあり、キラキラと楽しんでいる様子を見ながら食事をするのも楽しいのではないだろうか。だから、肉料理が提供されることも、もしかするとあるのかもしれない。あくまでも現時点でのアリタハウスのレストランとしての考え方である。

魚介以外で心がけていること

ここでの食事の楽しみは器の使い方だけではない。もちろん味に驚かされるのは先に書いた通り言うまでもないが、私たちが知らない佐賀の食材がふんだんに使われていることにも驚きだ。

これまで食べた料理から、上野さんの唐津レモンにみかん、橋本さん家のアスパラに桐岡ナス、西有田の安納芋、黒木さんの佐賀白石蓮根。これら佐賀の食材一つ一つが魅力的に思えてしまうのも増永シャフの特徴だ。農家の方と直接話をし、その食材の持つ特徴や調理方法などを実際に現地で聞き込み、それを増永シャフが他の食材と組み合わせたりなど、調理をしている。増永シェフに話を聞くと、先に書いた通り、野菜の名前だけでなく、「〇〇さんのつくる▲▲」と実際に育てている農家の方のお名前とセットなのだ。そうやって地道に足を運び、食材の知識を増やして料理することもまた楽しいとのことだ。だから、野菜の旨味がとても豊かなコース料理なのも特徴的だ。

先日も食べた一品にあった茗荷。香り高い茗荷だが、そこにほんの少し手を加えたことで、歯ごたえがしっかり残っているのでさらに香り高く、旨味が引き出されていて感動した。

佐賀の食材をふんだんに使ったコース料理。料理としての完成度も高く、いろんな人に「行ってみて!」とオススメしたくなるレストランであり、その食材を取り寄せられるのか、ベッドに入りながらネット検索していたのはここだけの秘密。

有田はもとい佐賀は、本当に食材に恵まれた町である。玄界灘と有明海に挟まれ、また温暖な気候と肥沃な土壌の佐賀平野をはじめとした農作物も非常に豊富だ。そんな豊富な食材を使ったコース料理、ぜひ多くの人に味わってもらいたいと思う。

料理をする上で一番大切にしていること

増永シェフの料理の特徴は、特に事前準備がしっかりなされていること。さらに、食感を損なわないたくないものは限りなく提供される直前に仕上げがなされていることだ。

盛られた料理の美しさを視覚で、提供される直前に調理される音と口に入れた時に噛んだ咀嚼音を聴覚で、適度に火入された魚の食感(触感)、秋の食材の旨味と野菜の甘味を味覚で、そして出汁の香りや食材本来の香りを嗅覚で楽しめる。まさに五感で楽しめる料理が、前菜に始まりデザートまでの12〜13品続くのだ。

事前準備で特に印象深いのは、『出汁』を大切にしている事ではないだろうか。

これまで食べた料理の中でも印象的なのは『五島うどん』と『アワビとトリュフのコンソメ』。双方とも味のしっかりした香り高い出汁が料理を引き立てていた。

シェフから秘密を教えてもらったところ、昆布を80度の温度で8時間煮出した出汁で、鶏ガラを一日かけてこし、生姜と牛ミンチ、鳥ミンチ、セロリ、ネギ、人参とトマト、大分日田で使われる肉醤を混ぜ合わせ3日かけて作られる出汁が全ての料理の基本になっているとのこと。

料理に合わせた飲み物は佐賀の日本酒がおすすめ

九州の中にある佐賀、なんとなく焼酎のイメージだったのだが、世界一の称号を獲得した富久千代酒造の鍋島が佐賀にはある。なんて偉そうなことを書くのだが、日本酒が得意でない私には、元々興味がなかった。話はそれるが、ビールが苦手だった私がビールを飲めるようんなったのにもキッカケがあった。それはうまいビールに出会った事だ。その話はいつかまた別の記事で書くとして、日本酒も今回、旅という特別な体験の中で、うまい料理とそれにあったうまい日本酒に出会ったからこそ、日本酒が飲めるようになった。日本酒を楽しめるようになったのは、その旬の日本酒を紹介してくれるアリタハウスの岡崎マネージャーによる絶妙なペアリングを楽しんでしまってからだ。

アリタハウスで提供されるドリンクの割合は7:3で日本酒が圧倒的。初めて訪れた時、お料理に合うワインをお願いしたところ、ワインより日本酒がおすすめであることを告げられたのを今でも覚えている。アリタハウスで食事をする上で、ぜひお勧めしたいのが日本酒とのペアリングだ。それも佐賀の地酒で楽しむとより一層、佐賀に魅了されていくだろう。そう、「日本酒」である事が肝なのだ。どうしても九州なので焼酎が主なのかと思っていたのだが、意外にも佐賀は日本酒の名産地なのだ。

訪れるたびに異なった日本酒をいただくと、すっかり日本酒にハマってしまい、いつも東京へ戻る日の朝はアリタハウス近くの地酒専門店「良酒 佐嘉蔵屋」で日本酒を購入して帰るのが通例となった。

たしか、二回目のアリタハウス宿泊の翌日、気に入った日本酒があったので佐嘉蔵屋で購入しようと訪れてみたところ、たまたまお店が定休日だったのだ。仕方なしに、有田にある他のスーパーへ行ってみたところ、意外に意外で地酒の取り扱いがないのだ。この時のショックといえば計り知れない。なぜならばその時に欲しかったのが限定数で製造された日本酒だったからだ。東京に戻り探してみたものの、見つけることができなかった。

あとで聞いた話によると、佐嘉蔵屋では佐賀の地酒を取り扱っているが、その中でも特に季節商品や数に限りのある蔵元の渾身の酒を1本でも多くたくさんの人に知ってもらいたいという思いから、全ての銘柄を取り扱うことはできないが、可能な限り店頭に並べているとのこと。

店主の椛島さんは、「アリタハウスさんで食事されて、お土産にと寄っていただくことは光栄なこと。もっともっと美味しい佐賀の日本酒を一人でも多くの人に知ってもらいたい」と、まだ飲んだことのないオススメを教えてくれた。

実際に、自宅で日本酒を飲もうとしても、コップ一杯程度で満足してしまうのは今でも変わらない。それでも、すこしは日本酒が飲めるようになり、お土産に日本酒を買いたくなってしまうほどになった。それは、岡崎マネージャーや椛島さんから教えてもらった日本酒が飲みやすくて美味しいからだ。

お土産で買ってきた日本酒をプレゼントすると、皆「美味しかった」と喜んでくれる。その喜びの声が聞けることが嬉しくもあり楽しく、今ではお土産の定番商品になった佐賀の日本酒。

いつかは佐賀の蔵元にも足を運んでみたいと思う。

その時々で変わる日本酒のラインナップの一部

美味しい料理と美しい器の関係

有田の器で、佐賀の食材に、佐賀のお酒を味わい、翌日にホテル周辺に集まるお店で、前日の余韻に浸りながらずっとお気に入りの器を探し求める。これが僕のオススメする有田での楽しみ方であり、器探しの旅だ。きっと心躍る気分で、器を探し求めて、見つかった時の興奮はなんとも言い難い旅の醍醐味だ。料理が美味しい。ただアリタハウスでの食事にはぜひ料理を味わう以外のちょっとした視点をプラスしてほしい。それは『料理が盛られた器」にほんの少しの興味を持ってほしい。せっかくの料理を堪能したいと思われる方も、料理には器の存在が欠かせないと思ってもらえたならば、もっともっと料理が美味しくも、楽しくもなると思う。

出会い多き有田旅

今回の記事を読んで、思う存分、有田を楽しんで貰えたならば、今回ご紹介できた事を微笑ましく思える。

有田焼という器を選ぶ楽しさは、まさに料理があっての器であり、器があっての料理だとアリタハウスでの食事がそう実感させてくれるに違いない。そして器にとどまらず、数々の食材、お酒に出会い、普段使い、はたまた特別な日のしつらえを佐賀尽くしで考えてみてはいかがだろうか。

最後に、おいしい料理とお酒を堪能したら、すぐに夢の中に入れる。それがアリタハウスの醍醐味でもある。

ぜひ有田の滞在を楽しんで欲しいと思う。

ミシュランの星を目指してチーム一丸となって頑張るスタッフ

文:Daisuke Kinoshita(PLTRA inc.) 写真:Makoto Shikuya(Fede)/Daisuke Kinoshita(PLTRA inc.)

Information

<arita huis>

〒844-0024 佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 アリタセラ内
TEL. 0955-25-8018
FAX. 0955-25-8016
MAIL. info@aritahuis.com
HP.     https://aritahuis.com

<良酒 佐嘉蔵屋>

〒844-0025 佐賀県西松浦郡有田町外尾山丙1860-6
TEL. 0955-43-3738
MAIL . r.sakakuraya@gmail.com
HP.    https://sakakuraya.base.ec

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