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TRIP

奄美でテーチ木染め&泥染め体験をしてみた!

今年も夏休みは子ども達と奄美へ帰省しました!そして今年の夏は奄美でやりたい事を全部やってみよう!と思い、時間が許す限り様々なことをしました。海水浴、バーベキュー、花火にタナガ獲り(※1)などなど。

ずっと気になっていた泥染体験

私が小学生の時に泥染体験をしたことが一度だけあります。社会科見学の一環で訪れた「大島紬村」で小さなハンカチを染めたような気がするなぁ…という曖昧な記憶しかありません。泥染を知識として知っていても、ちゃんとした体験をしたことがなかったので、いつかはやってみたいと思っていました。

子ども達は「泥染!?なにそれ!??」とまるで未知との遭遇。長女(小学生)の自由研究としてもちょうどいいネタになると思い、染色工房「肥後染色」さんで体験してきました。

※泥染体験をする際は必ず事前に予約してください

肥後染色さんでは泥染と藍染の2種類の体験ができます。奄美ならではの体験をするなら「泥染」がオススメです!

私はロングワンピース2着とチュニックを持ち込んで染めることにしました。娘は自分が染めたい小さいトートバッグを持って行っていたのですが、生地が固いキャンバス地だったため、絞りにくい可能性があるということで工房で販売していた無地のトートバッグを購入し、両方を染めてみることにしました。

※持ち込みの場合は重さ(グラム数)によって体験料金が変わりますので、予約時に問い合わせてみてください。

持ち込みをしなくても、白地のTシャツ、バッグ、ストール、ハンカチなどサイズも豊富に工房で購入できるようになっているので手ぶらでも体験できます。

事前にイメージするとスムーズ

体験する前に、仕上がりイメージを決めます。直線か、曲線か。それとも輪っかのような模様をつけるのか。実際に染め上げた物の写真を見せてもらい、完成柄をイメージしながらゴムで絞っていきます。「どんな風に染めたいか?」というのを事前にしっかり決めていると作業に取り掛かりやすいので、事前に泥染の写真などを見てどんな柄を出したいかある程度決めていくことをオススメします!

長女はトートバッグの上部を明るい茶色、下部を黒色、そして中心部はクネクネとした曲線を希望したので、曲線が出るようにバッグを絞っていきます。私が持ち込んだワンピース、1着はグラデーションに、もう1着はシミがついたワンピースだったので単色で染めるとシミが浮いてきて目立つかもしれないというアドバイスを受けて、まだらに染めることに。そしてチュニックはツートーンカラーに染まるようにしました。

肥後染色では自分の服が汚れないように工房のTシャツと前掛けを無料で貸してくれます。そのまま工房に行っても服の汚れを気にせず泥染体験ができますよ!

さぁ、着替えて体験スタート!

作業に入る前に工房のお兄さんが奄美のテーチ木(車輪梅)染め&泥染について分かりやすく説明をしてくれました。

※泥染については以前の記事※2(奄美大島が、日本が、世界に誇れる日本の伝統工芸「本場大島紬」)でご紹介しています。

車輪梅(シャリンバイ)という木のことを奄美の方言で「テーチ木」といい、泥染の前に必ず「テーチ木」から作った染料で「テーチ木染め」をします。テーチ木の染料を作る過程で煮出したテーチ木のチップは、乾燥させてまた煮出す時の燃料にしたり、燃料にして灰になると次は畑に撒いて肥料にしたり、郷土料理の灰汁巻き(あくまき※3)の材料に使用したりと本当に捨てるところがないんですよ!という説明を聞き、奄美の泥染は本当に自然に優しいサスティナブルな染め物だなぁと改めて強く感じました。

テーチ木染の染料は発酵しているのでとても独特なニオイがします。なかには苦手な人もいるかもしれません。我が家の子どもたちは最初「臭い!」と言いながら染めていました。(笑

しかし、ニオイがきついのは最初のうちだけで染めていくうちに徐々にニオイが薄くなっていきます。特にニオイに敏感な次女は、テーチ木染の時は石灰水に入れて揉み込む工程を担当しましたが、後半になるとニオイが気にならなくなったらしく、次女も一緒にテーチ木の染料でモミモミと染めていました。

いざ!泥染!!

本来なら泥染は泥田で行うのですが、肥後染色の泥田は少し遠い場所にあるので、工房に泥炭の泥を持ってきて染められるようになっていました。

泥染に入る前に、テーチ木染の色のままにしたい部分には、泥に染まらないようにビニールを被せます。どの部分をどんな色にしたいのか再度確認して、泥染の濃い色にしたくない部分にビニールを被せゴムで縛ったら泥染スタートです!

泥の方はニオイがしないので子ども達も張り切って染めていました。泥に入れて揉み込んでいると赤茶色部分がだんだんと黒っぽい色に変わっていきます。この変化の過程がとても面白く、子ども達も「わぁー!色が変わってきたぁ〜!!」と染めながら喜んでいました。

泥染が一度終わると、再度テーチ木染めを2セットします。それが終わると最後の泥染を行います。

私はロングワンピースをグラデーションのようにしたかったので、色を濃くしたくない部分をさらにビニールで覆い2度目の泥染です!

この頃には子ども達も染めるのにすっかり慣れた手つきで職人のようでした。色が更に濃く深い焦げ茶色に変わってゆきます。染め終わると流水で何度か洗い流し、脱水して泥染体験の終了です。

ついに完成!世界にひとつしかない自分だけの作品

模様を出すために縛っていたゴムを解いて広げてみると、「わぁ〜〜〜〜!すごーい!いい感じ!!!」と子ども達の嬉しい声が響きます。

テーチ木の赤茶色の温かみのある色と、それに泥染の色が混ざった力強さを感じる深い焦げ茶色。奄美の自然を感じるとても素敵な色のバッグになりました!どこにも売っていない世界に一つだけのオリジナルバッグの完成です。自分の手で染めたので愛着もより一層湧いてきます。大喜びで、おでかけするときに早く持っていきたい!!とはしゃぐ子ども達の笑顔を見て、泥染体験をして本当に良かったと思いました。

20代の頃に購入した服で、元は白色で刺繍がポイントで入っている可愛い雰囲気の服たち。30代後半の今、可愛いのはあまり自分の雰囲気に合ってないかもなぁ〜でもデザインはすごく好きなんだよな…と着たい気持ちはあれど着るのをためらっていた私の服たちもいい色に染まりました。

テーチ木&泥の落ち着いた色のおかげで雰囲気がガラリと変わりました。これなら今着ても違和感なく着れるし、このまま売っていたのかなと思うほどの出来栄えで(自画自賛。笑)新しく生まれ変わった服たちをとても嬉しく思いました。今回染めた服がまた色落ちしたり色が変わってきたとしても、今回のように泥染体験で染め直せるので何度でも生まれ変わらせることが出来るのも嬉しいポイントです。

持ち込みで泥染が出来ることを知らなければ、そのまま破棄していたかもしれません。デザインや形はすごく気に入っているけど、色合いが似合わなくなってきたな…という服がクローゼットに眠っていたら泥染してみませんか?奄美のテーチ木染め&泥染めで新しい服に生まれ変わるかもしれません。

最後に

肥後染色のスタッフの方がとても親切にしてくださり、普段から人見知りの次女にも優しくたくさん声をかけてくれました。「染料のニオイは大丈夫?気になるならこっち側に立って作業したらいいよ!」など、子ども達のことをとても気にかけてくれて本当にありがたかったです。おかげで最後まで楽しめました。子ども達が「また来年もしたい!今度はTシャツ染めたい!!」と口々に言っており、心から楽しかったんだなぁと感じました。とても貴重な体験ができて、私にとっても子ども達にとっても忘れられない夏になりました。

肥後染色のスタッフの皆様、ありがとうございました!

文:佑美 イラスト:Yu Ikari


肥後染色
住所:〒894-0107 鹿児島県大島郡龍郷町戸口2176
電話:0997-62-2679(泥染体験の予約はお電話でお願いします。)
H P;https://dorozome.com/


※1)タナガ捕りの詳細は昨年ご紹介した記事『奄美小噺 Vol.8 島の夏の風物詩「タナガ獲り」』をご覧下さい。

※2)泥染については以前ご紹介した記事『奄美大島が、日本が、世界に誇れる日本の伝統工芸「本場大島紬」をご覧下さい。

※3)あくまきについては以前ご紹介した記事『『奄美小噺 Vol.2 奄美の男の子(インガ)の節句』をご覧下さい。

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