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ESSAY

料理下手な男、キッチンを改装する。〜前編〜

こんにちは。妻のごはんを撮ってInstagramにアップして楽しんでいる40歳のサラリーマン、AKIPIN(あきぴん)です。

全5回を予定しているこの「料理下手な男」エッセイも、いよいよ4回目となりました。

これまで、かなりの料理下手な男であるぼくがかろうじてやっている料理(?)について語ってきました。
今回は、それらの舞台であるキッチンについて紹介させてください。

今年2月に改装したわが家のキッチンの改装前の様子と、改装したポイントについて。

職場の飲み会とか、ママ友とのお茶会とかで、「うれしかった話」を、こちらから尋ねてもない話のにとうとうと語ってくる人っていますよね。途中から、とりあえずの相づちを打つしかなくなるやつ・・・。
今回のぼくの話は、おおむねあれです!

というか、考えたら第3回目までのぼくの話もぜんぶそれですよね・・・でも、今さら後には引けない!
急にカタい口調に変えますが、よろしくお願いいたします。



ぼくの身体は、6時5分から、6時10分に進み、ついには6時18分になって数分後、あえなく5時50分に舞い戻るのだった。

いきなり何から書き出してるのかと思われただろう。

もしも、「なんのことかわかった!」という人がいたら今すぐハイタッチ・・・しようとして、「でもコロナやし」と控えたい。
グーとグーでツン、に急にしたい。

わが家では、食事後の食器洗いは妻がメインを担いつつ、ぼくがなるべく補助する、という形になっている。

ただ、妻のその日の様子を見て、いつもより疲れてそうだなと思ったら、急に「今日はもう休んどいて〜」と言い放ってぼくが全部やることもある。

などと書いた今、ぼくの好感度は若干上がったかもしれない。

などと書いた今、上がった分が下がったかもしれない。

さて、最初に記した<6時5分>などの時刻が何なのか?という話だ。

これは、改修前のキッチンで食器を洗うぼくの身体を真右から見た際の、下半身を時計の短針に、上半身を長針に見立て、時刻で言ったものである。
そう言うことにより、食器洗い中のぼくの「体勢の変遷」を表現してみたものである。

(わざわざそんな斬新さ必要か?)と自問すれば、(不必要だが、今回はこれでいく)と自答するものである。

食器洗いの工程は、泡立てたスポンジで磨くことから始まる。

スポンジに洗剤を含ませてもみもみあわあわし、シンク内に置いてある食器を持ち上げ、ひととおり適当にゴシゴシする。
とても40歳男とは思えない表現になっているが、気にせずともかくもみもみあわあわゴシゴシしてゆく。

この作業は、直立から少し上半身が前傾した、まあまあ自然な体勢で進めてゆく。
このときのぼくの姿を真右から見れば、まさに<6時5分>の時計の針とそっくりというわけだ。

(そっくりか?)と自問すれば、(確認はしてないが、今回はこれでいく)と自問するものである。

しかし、ひととおりもみ・あわ・ゴシの後、泡を流す工程に移ると状況は変わる。

食器を蛇口の下へ持ってくると、食器が蛇口にちょいちょい当たってしまうのだ。
食器と蛇口がカチャカチャなってしまう。
カチヤカチャカチャカチャ。

実はわが家のキッチンは一般のそれより低めで、身長179センチのぼくには、全体的にかなり低いのだ。
だからカチャカチャなってしまう。

そこでぼくの上半身はもう少し前傾し、<6時10分>へ進むことになる。
それにより手元の位置も下がり、蛇口とほどよい距離がとれ、食器をカチャカチャせずに洗い流すことができる。
これにて一件落着・・・
とはならず、実はこの<6時10分>がちょっとつらい。

この角度は身体にちょうど中途半端で、腹と背中がちょうどしんどいのだ。

そこでぼくの身体は一気に<6時18分>まで進む。

上半身をここまで折り曲げれば手元の位置もさらに下がる。
そして、さっきまで腹と背中にかかっていた負荷が不思議なほどやわらぐ。
こうすれば、体勢が若干“おじい”ではあるものの、カチャカチャならずに食器を洗うことができる。

妻や娘がパッと見たらワッと驚く“おじい”であるものの、カチャカチャならずに食器を洗うことができる。
水はねがちょいちょい顔に当たって目をつむる“おじい”であるものの、カチャカチャならずに食器を洗うことができる。

しかし、“おじい”も長くは続かない。

「イテテテテテテ・・・!」

腰に手をやり苦悶の顔を上げ、上半身を後ろへ反らす。

きれいになった食器と引き換えに腰痛を手に入れた身体はそう、<5時50分>を指しているのだった。

これが、今までの食器洗い時のぼくの身体の変遷である。

(大げさではないか?)と自問すれば、(そんなことはない)と自答するものである。

(でも、ちょっっとくらいは大げさかもね?)と自問すれば、(ちょ、こら!まあ、ちょっっとくらいは笑)と自答するものであるすみません。

ともかく!事実、ぼくにとってキッチンの低さはけっこうな負担だった。

一方、妻のほうもキッチンに対し、ぼくと同じようなことを含めいくつかの要望を抱えていた。
ぼくより圧倒的に長時間そこに立ち、フル活用しながら生活していることもあって、そのポイントはいっそう具体的だった。

そうして二人で検討に検討を重ね、悩みに悩み、迷いに迷った。

時には意見が噛み合わなかったり、若干険悪な雰囲気になったり、若干だったので気づいてないふりをしたりしていたある日。
すばらしい業者さんと出会った。
出会ってしまった。

そのご縁にも後押しされ、わが家はついにキッチン改装に踏み切ったのだった。

依頼した業者さんは、京都市にある「株式会社洛」さん。
https://www.kyotolabo.com/
※前回も言ったけどステマではない

限られた予算の中で折り合いをつけながら、今までよりも大好きなキッチンに生まれ変わった。

それでは、改装直後の各パーツの写真とともに、そのポイントについて聞いていただきたい。
のだが、もうずいぶん長くなってしまったので、その詳細は「後編」として後日あらためて掲載する。

なお、その「後編」は、妻に書いてもらおうと思っています。
突然ですが妻、よろしくお願いしまーす。

中途半端な終わり方であることはジュウジュウ承知しつつ。
ジュウ分な文字量だけは書いてジュウ実感いっぱいに“伸び”をしたぼくの両腕。
10時10分。

(うまいこと言えた?)と自問すれば、(もうええわ)。

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