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ESSAY

吉田マッスグの酒場のスペシャリテ 東京都・亀有の【江戸っ子 亀有本店】

酒場のカリスマ・吉田類氏が名付け親となり、 酒場好き編集者が、酒場をめぐり、酒場を語るときにだけ許された酒場ネーム、それが吉田マッスグ。その吉田マッスグが東京を中心とした酒場をそのスペシャリテともに紹介。空間、大将、女将、酒、ロケーション……。酒場のスペシャリテは料理だけにあらず!

カウンターにはアクリルボードが置かれ、いまはコロナ前のように飲めなくなってしまったが、吉田マッスグが懐かしの酒場を回想していく。

江戸っ子 亀有本店【東京都・亀有】

5メートルほどはある間口いっぱいに掲げられた暖簾。「もつやき」と認められたその暖簾の奥には、立ち飲む飲兵衛の後ろ姿だけが見て取れる。その光景を見るだけで喉が鳴り、酒が飲みたくなる。が、軒先から放たれる、もつ焼きが芳しく焼かれる煙が酒飲みにトドメをさす! 辛坊たまらんと暖簾をくぐれば、『江戸っ子』が「亀有の関所」と呼ばれる由縁を思い知るだろう。

 お目当ては、もちろん軒先から漂う匂いの源、もつ焼きである。ここではレバーやシロ、ナンコツなど10種ほどが揃うが、注文は1種類につき4本セットが基本。味付けは「甘タレ」」「朝鮮風ミソタレ」「ニンニクの味カラタレ」と塩焼きの4種から好みの1種を選ぶ。初めて訪れたらな4種の部位がおまかせで盛られる「みつくろい」を頼むといろんな味を試すことができる。もつ焼きはもちろん、「ガツサシ」「煮込み」といった定番メニューも、モツの鮮度と、丁寧な下処理を感じられる逸品だ。

そんなつまみに合わせるのは「特製ハイボール」。いわゆる焼酎ハイボールだが、ここのは焼酎に自家調合したエキスが予め混ぜられ、ディスペンサーからグラスに注がれる。氷がないのは、味に対する自身の現れだろう。3代目の店主が研究に研究を重ね辿り着いたその「特製ハイボール」の味は、爽やかな香りと、仄かな甘味と柑橘の風味、絶妙な炭酸感がクセになる。もつ焼きとの取り合わせは言わずもがな、大衆酒場の最強ペアリングといっていい。

一度その味わいを知れば、「亀有の関所」に次も足止めを食らうことになる。

<店舗情報>
東京都葛飾区亀有5-32-1
営業時間:16:30~20:30
定休日:土・日・祝

※写真はコロナ前に撮影されたものです。

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