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ESSAY

吉田マッスグの酒場のスペシャリテ 東京都・荒木町の【酒肴 タキギヤ】

酒場のカリスマ・吉田類氏が名付け親となり、 酒場好き編集者が、酒場をめぐるり、酒場を語るときにだけ許された酒場ネーム、それが吉田マッスグ。その吉田マッスグが東京を中心とした酒場のスペシャリテを紹介。空間、大将、女将、酒、ロケーション……。酒場のスペシャリテは料理だけにあらず!

カウンターにはアクリルボードが置かれ、いまはコロナ前のように飲めなくなってしまったが、吉田マッスグが懐かしの酒場を回想していく。

酒肴 タキギヤ【東京都・荒木町】

大衆酒場というには言葉足らずである。でも、気張って暖簾をくぐる店ではない。人気店がゆえ、3~4人での利用なら予約は必須だが、ひとり飲みなら必ずカウンターにフリーの席を用意してくれている。旨い純米酒、酒飲み泣かせの気の利いたつまみが揃っていて、店主の小林さんはすこぶる気前がいい。大衆酒場と呼びたいのだが、それ以上のクオリティをどう表現していいのか……。とにかくいい店であり、通い続けたい、そう思わせてくれる酒場である。

『酒肴 タキギヤ』が荒木町に店を構えて今年で10年目になる。オープンしたてに取材したころ、店主の小林さんはこう話していたのを今でも覚えている。

「もし、このお店が10年続いていたなら、『ふくべ』さん(八重洲にある老舗の日本酒酒場)のような店になれていたらうれしいですね」

老舗酒場と呼ぶにはまだ早い。それでも10年の間に、名酒場と呼ぶには十分な実力と貫禄を兼ね備える店になった。お通し代わりに出される「出汁」にはじまり、「いわしの梅煮」「みそまめ」「ぬた」といった手仕事がなされた酒肴、小林さんが「真っ当な日本酒」という純米酒のラインナップ。おまけに酒場の雰囲気も板についてきて、非の打ち所はない。名店『酒肴 タキギヤ』が次なる10年でどんな店になっていくのか、また一緒に年をとれたら、酒飲みとしてこれ以上の喜びはない。

<店舗情報>

東京都新宿区荒木町7
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜・祝日

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