脱 “なんとなくワイン選び” Vol.6 – ワイン選びの3つのヒント

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このシリーズでは、 “ワイン選びのヒント”を三つのアプローチでお伝えしてきました。一つ目は「ワインを産地で選ぶコツ」、二つ目は「ブドウ品種別のワインの特徴」、三つ目は「ワインを香りで選ぶコツ」です。この三つが頭に入っていればワインショップでもレストランでも、スムーズにワインを選ぶことができます。ぜひ、それぞれの記事を参考にしてください。

最終回となる今回は上記三つのアプローチに加え、ワイン選びの際に私が気をつけているヒントをもう三つ、お伝えします。ここまで「自分好みのワインと出会うために基礎知識を身につけるべし」というメッセージをしたためてきたわけですが、最後は少し肩の力を抜いて気軽に実践できる内容にしました。「難しいことは抜きにして、とにかく美味しく味わいたい!」という人は、以下で紹介するポイントだけでも頭に入れてみてください。

1. ワインの価格帯を意識する

ワインの価格はピンからキリまで。何百万円もする超高級ワインもあれば、500円玉ワンコインで買える格安ワインもあります。なんとなく「高いワイン=美味しい、安いワイン=まずい」というイメージをお持ちではないでしょうか。実はそう単純なものではありません。

ワインの価格帯は次の三つに分けられます。この三つのグループにはそれぞれ、値段以外に共通の特徴があるのです。それぞれのグループの特徴をつかめば、気分やシーンに合わせたワイン選びができるようになりますよ。

(1)  カジュアルワイン(〜2,000円)

コンビニやスーパーでよく目にする、もっともポピュラーな価格帯です。この価格帯のことを “カジュアルワイン”と呼んでいます。毎日の食卓で楽しむデイリーユースなワインです。カジュアルワインはブドウ品種の個性を楽しむのに最適です。一種類のブドウから造られていたり、複数の品種をブレンドしている場合でも特定の品種の個性を軸にしていたり……品種ごとの特徴を意識しつつ、ボトルやポップにブドウ品種名が明記してあるものを選ぶと、求める味わいに辿り着けますよ。

(2) プレミアムワイン(2,000円〜10,000円)

「今日は奮発しちゃった!」と感じる価格帯のワインを、 “プレミアムワイン”と呼んでいます。このグループのワインには生産者ごとの特徴(醸造スキルや醸造方法の影響)や、産地ごとの特徴がプラスされます。そのため、カジュアルワインに比べてより複雑さを楽しむことができます。ワインを選ぶ際に気をつけるポイントとして最もわかりやすいのは、木製の樽を使っているかどうか。木やヴァニラ、カカオの香りが好きな方は木製の樽を使っているワインを選ぶ……というように、最低限そこを意識すれば好みのワインに出会う確率が高まります。ちなみに、木製の樽を使っているワインは生の魚介との相性が悪いので、お気をつけください。

(3) スーパープレミアムワイン(10,000円〜)

10,000円を超えるワインにはなかなか手を出しにくいかもしれませんが、大切な人と過ごす特別な日にワインを楽しむならこのグループです。スーパープレミアムワインはどれを選んでもだいたいハズレなし! ですが、注意して欲しいのは “飲み頃”がある点です。数年〜十数年寝かせてやっと本来の美味しさが引き出されるなんてことも珍しくないのです。特に赤ワインは20年寝かせないとダメなものもたくさんあります。このグループのワインを選ぶ際に注目するべきは生産年です。生産後10年以上経っているワインに出会ったら、買い時かも知れません。お値段は決してお財布に優しくありませんけど……ね。

2. 賞や点数にまどわされない

ワイン売り場では「◯◯コンテスト金賞受賞」「◯◯ポイント90点獲得」などのコピーをたくさん見かけますよね。どれもこれも賞を受賞していて、本当に美味しいワインがどれなのかわからない……なんて方も多いのではないでしょうか。

ワインのコンテストはマーケティング戦略で開催されることがほとんどです。生産者が自ら進んでコンテストに出品するケースもありますが、たいていはインポーターや販売業者が売り出したいワインを品評して賞を与え、PRに使っています。もちろん、全ての賞に意味がないわけではありませんが、売り場に踊る「◯◯コンテスト金賞受賞」などのコピーにはあまり惑わされてはいけません。

私が売り場でワインを選ぶ際は、「◯◯コンテスト金賞受賞」というコピー以外の情報がたくさん書かれているワインをチョイスします。賞以外にアピールポイントがあるワインの方が、信用できるからです。目当てのワインが賞を受賞していたら、それはそれで一つの特徴くらいにとらえましょう。

3. 思い切ってジャケ買いしてみる

美味しいワインを見極めるポイントを色々とお伝えした後ですが、実を言うと私はよくワインをジャケ買いします。ブドウ品種や産地などの情報もチェックしますが、購入の決め手は「ラベルデザイン

がツボだったから」というケースが少なくありません。でも、意外とこれで “アタリワイン”と出会う確率が上がるんです。猫が好きな人なら、猫モチーフのラベルデザインはいかがでしょうか。例えば、Fattoria AL FIOREという日本のワイナリーが手がける“ネコ”シリーズのワインは、見ているだけで猫好きの心がくすぐられます。

秋の味覚に合わせたい!料理人が手がけるキュートな“猫ラベル”ワイン(Fattoria AL FIORE “ネコ”シリーズ)

花が好きな人なら、美しい花があしらわれたラベルデザインはいかがでしょうか。例えば、岩の原葡萄園という日本のワイナリーが手がける “深雪花”というワインは、凛とした椿が美しく、食卓に華をそえてくれます。

雪解けと共に花ひらく赤ワイン(岩の原葡萄園「深雪花」

ワインラベルのデザインには、生産者の想いやワインの個性が表現されています。猫ラベルのワインは猫好きな生産者によって造られている可能性が高いし、花ラベルのワインはその花をイメージした味わいである可能性が高いのです。ジャケ買いを甘くみてはいけません。以外とジャケ買いしてこそ、自分の好みに合うワインに出会えるのではないか……私は本気で、そう思っています。ぜひ、皆さんもピンとくるラベルのワインを思い切ってジャケ買いしてみてください。きっと、素敵な出会いを楽しめるはずです。