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子供の成長を残したい。悩めるカメラの選び方をプロカメラマンに相談する。

普段は会社員として働いていて、週末は4歳の息子と2歳の娘と一緒に遊ぶ約束をしている二児の父、Novyです。今年からBLATRAのガジェット記事を担当します。

さてさて、好きが高じてガジェットの担当をすることになったのですが、執筆に関する依頼時の注文は、「物をずばり紹介するというよりは、選択肢の中にあるいろんな考え方を紹介して欲しい」でした。

「物」そのものの紹介はこのご時世、様々なサイトを見ればいろんな事が書かれていますので、選ぶ時に何を気にすればいいのか、何を基準に考えればいいのかについてご紹介したいと思います。

第1回目は、これから卒業式や入学式などのさまざまな行事が始まる時によくある悩み。そして僕自身の長年の悩みだったこと。

カメラが欲しい。でもどれにするか悩んで一向に決まらない!

を解決するきっかけになればと思い、私の実体験をもとにお伝えします。

悩みの堂々巡り

さて、SNS全盛期の中、皆さんは子供の成長をどのように記録していますか?

InstagramやTwitterを見ていると、とても素敵な写真で子供の成長を記録してるかたが大勢いらっしゃいます。

私は、スマホに保存している子供の写真を見返すと「昔は小さかったなぁ」なんて思いつつも、もっとおしゃれな感じに子供の写真を残したいと思ったことが多々あります。

皆さん、そんな経験はありませんか。

デジタルカメラ(以下、デジカメ)の登場により、簡単に綺麗な写真を撮ることは身近になりました。

さらに、スマホの登場によって、その距離はますます縮まりましたよね。中には、スマホのカメラ性能が高性能化していることにより、デジカメの登場回数が減った人も多いのではないでしょうか。

しかし私は、節目節目に写真館やプロカメラマンさんにお願いして、家族写真を定期的に撮影しており、それらの写真を見返すたびに、「自分でもこんな写真を撮ってみたい」と常々思っていました。

そこで、ようやく決心をかためデジカメの購入に踏み切ろうとした時に、色々と調べ始めてました。

すると、種類が多すぎてどれを選んだらいいのかがさっぱりわからず、「これがいいのかな?」と一度思っても、「これでいいのかな?」と想いの堂々巡りが始まり、なかなか購入に至りませんでした。

「これでいいのかな?」と思ってしまう理由には、「そもそも、スマホでも綺麗に撮れるんじゃないの?」「カメラって大きくて扱えそうにないかも・・・」「デジタルカメラはそもそも高いなぁ?」などと思ってしまったことが原因です。

だとするならば、、「まずは性能の良いスマホを買おうかな」と考え、高性能のスマホを選んでみようと思考を変えてみても、やはり「カメラの方が綺麗に写真を撮れるんじゃないの」と悩んで、右往左往してなかなか決まりません。

わからないなら聞いてみよう!

同じような悩みを抱え、一歩がなかなか踏み出せない僕と同じような人がいるんじゃないかと思ったので、ちょっと詳しそうな人に聞いてみようと。

カメラ好きが故にカメラマンにならなかったBLATRA編集長のDaisuke Kinoshitaと、某有名百貨店の写真室に入社後、いくつかの会社を経て、現在宿谷写真事務所(Fede)の代表として30年以上も第一線のプロカメラマンとして活躍する宿谷誠氏の二人が、恵比寿にあるBaruComodoでBLATRAのレシピ撮影をしている事を聞きつけて、現場に押し掛け質問責めにしてきました。

結論はこれ。これから写真を始めてみるならミラーレスがいい!

先に質問責めしてきた結果をお伝えします。これから始めるならミラーレスカメラがオススメです!正直、話を聞いていて思ったのは「ちょっと意外」でした。

なぜならば、二人に聞けば一眼レフをお勧めされるのかと思っていたし、下手をすれば「スマホで十分だよ!」なんて言われるかと思っていましたから。

最近のスマホにはカメラのレンズが3つもついてて、ズームもできるし、背景をぼかした写真も撮れるし、何より常に持ち歩くものだからそもそも軽くて、邪魔にならない。

しかも、「Instagramとかでおしゃれな写真をスマホで撮っている人も多いのに、持ち運びも大変そうなカメラがオススメなの?」って感じでした。しかも「デジカメは結構高いのでは?」とも思っていたからです。

だから私は、「スマホでも撮れるんじゃ?」「軽い方が良くないですか?」みたいな皆さんが思うような質問を二人に浴びせ、得られた内容がこちらです。

初心者にもミラーレスカメラがオススメな3つの理由

美しく自然な写真を撮ることができる

Novy(以下N) そもそも最近のスマホって綺麗な写真が撮れませんか?ポートレートモードを選択すれば、カメラで撮影したみたいに背景がボケた写真が撮れると思うのですが。

Daisuke(以下D) スマートフォンでも背景がボケた写真の撮影は可能です。撮影できる種類の異なるレンズが2つ以上ついている機種が増えていますが、レンズ特性を活かして同時に2つの写真を撮影し、スマホがデジタル処理で写真を重ね合わせることでボケを表現しています。


 背景がボケた写真は主役を際立たせる効果があるので、手軽に綺麗な写真を撮影できることはメリットだと思います。

 ただし、2枚の写真を重ね合わせているため、拡大してみるとボケなくても良いところがボケていたりすることがあります。自然な写真が好みであれば、スマートフォンよりもデジカメで撮影することをオススメします。

Novy) なるほど。スマホの写真は機械が処理した後の写真なんですね。たしかに拡大してみると、違和感がありますね。

D) 下の写真、どちらが携帯かわかりますか?

D) 上がスマホ(iPhone X)で下がミラーレスカメラ(Canon / EOS R)で撮った写真です。ぱっとみただけだとどっちがどっちかわかりませんよね?

宿谷誠(以下M) 撮影した写真をスマホで見るのであれば、スマホで撮影した方が手軽に綺麗な写真が撮影できることは間違いないと思います。

 ただし、撮影した写真を使って年賀状にしたい、印刷して離れた祖父母に送りたい、というようなシーンにおいては、スマホよりもカメラで撮影した写真の方が適しています。


 スマホで撮影した写真は撮影後に、機械の中で自動的に綺麗に処理をしています。ただ、あくまでも機械が判断して、こうすれば綺麗に見えるという写真に仕上げるので、意図としない処理をされることもあります。

 写真を拡大してみると、ピントが合っていなかったり、ボケている位置がおかしい、といったことがありますね。

 自分の目で見たままの描写を切り取ることで、美しいと感じる瞬間を自然な写真で残すことが可能です。

D) 先程の写真の一部を拡大するとこうなります。

D) 写真でいうボケが不自然なのがわかりますか?

N) 本当ですね。こうやって大きくみると意図しない処理が分かりますね。
 最近はスマホで撮影した写真を印刷することが少なくなったので、大きく印刷してみないと分かりませんね。

M) そうそう。これが不自然な処理でできたカメラと一番違う点ですね。でも、印刷せずに携帯で見るぶんには気にならないですね。

写真を大きくする?プリントする?

D) 僕は先日、旅先のお土産にフォトフレームを両親(子供たちの祖父母)に送りました。その中に、旅先の子供たちの写真を入れて送ると喜んでいました。


 これ、なかなか会うことが出来ない両親に贈るギフトとして、オススメです。
 ちなみに、我が家では全員がiPhoneを使っているので、写真の共有フォルダーを作って、全員で子供たちの写真は共有しています。

N) たしかに祖父母に写真を送ると、喜んでもらえそうですね!

M) 印刷した写真をインテリアとして部屋に飾ってみるのはいいですね。

 日本では写真を印刷して部屋に飾るという習慣があまり少ないかもしれませんが、欧米では一般的です。部屋には思い出を切り取った写真を印刷して、飾っている人が多いです。

以前、海外の友人に「日本人は部屋に写真を飾らないのか?」と言われたことがあります。それほど海外で写真を印刷して飾ることは一般的です。

 写真を飾ることで部屋の印象も変わりますので、インテリアとして取り入れてみてはどうでしょうか。

N) 私の家も宿谷さんに撮影してもらった家族写真をフレームに入れて玄関に飾ってあります。子供たちも写真を見て喜んでいるので、もっと飾ってみたいと思いました。

M) 写真をプリントするということは、スマホ画面で見るより大きくするということですから、先程の不自然さが目立ってしまいますよね。

D) プリントするならば、なおさらカメラで撮影した方がいいですよね。

パッと持ち出せるサイズ

N) 家電量販店に行ってカメラを見たことがありますが、カメラって大きなものが多くないですか?手に持ってみたりしましたが、どうしても大きさや重さが気になってしまいます。

 旅行に行くときに大きく重たいカメラは、持ち運ぶことがおっくうになってしまい、家に置いていってしまいそうで・・・。実際に、以前はデジカメを持っていましたが、出番がなく時が過ぎてしまいました。

D) Novyさんが家電量販店でカメラを見たのはかなり前の事かもしれません。たしかにちょっと前まで綺麗な写真が撮影できるカメラといえば「一眼レフカメラ」でした。

 スポーツや取材をするプロカメラマンが利用する機材をテレビで見たことがある人は、最初にイメージするカメラが一眼レフかもしれません。Novyさんが手に取ったように、大きく、重たいものが多いことが特徴です。

 しかし、最近の主流は「ミラーレス」に移っていて、小型化、軽量化が進んでいます。

M) 例えばCANONが発売しているEOS Rというカメラの重さは約580g(本体のみ)です。私が仕事でも使っている一眼レフカメラのEOS5Dというカメラは約800g(本体のみ)ですので、かなり軽くなっていることがわかります。

 これは一眼レフカメラの中で利用されていた一部のパーツを利用しなくなったことで実現しました。カメラの構造を変更したことでミラーレスカメラが誕生し、進化を続けています。

N) でも、カメラの構造が変わったなら、ミラーレスカメラだと綺麗な写真は撮れないんですか?

D) そんなことはありません。どちらもハイクオリティな写真を撮影することが出来ます。

カメラメーカーの主流がミラーレスカメラに移っているとお伝えしましたが、新しい技術が導入されたり、最新機能を持った新機種がミラーレスカメラの方が多く発売されています。

 小型で軽量、持ち運びやすさを重視する方で、これから写真を始めたいという方であれば、私はミラーレスカメラをオススメします。

N) でも、写真のプロの方は、やはり一眼レフカメラを利用されますよね?やっぱり一眼カメラを買った方が良いのでしょうか?

M) 全員が一眼レフカメラを利用している訳ではありません。BLATRAで撮影した写真もEOS Rというミラーレスカメラで撮影していますよ。

N) DasiukeさんもEOS R使っていますよね?

D)  僕もEOS Rを使ってますよ。それこそ宿谷さんと同じ日に買いましたから・・・・。

M) そうそう。某大手カメラ量販店で買いましたね。

 各メーカーともにミラーレスカメラの開発に力を入れているので、初心者の方でも扱いやすい入門機から、プロフェッショナルが利用する専用機まで幅広い種類が発売されています。

 私も一眼レフカメラを使っていました、数年前からミラーレスカメラがメイン機に変わりました。細かい違いはありますが、仕事で利用出来る品質を持っているカメラだと感じています。

 周りのプロカメラマンもミラーレスカメラに変えている人が増えてきたので、やっぱりこれからはミラーレスカメラが主流になっていくことを実感しています。

手が出しやすい価格

N) ミラーレスカメラっていいですね。ちょっと近くの公園に持って行くにも小型で軽量であれば、いつでも持ち出して子供を撮ることが出来そうです。

 でも、良いなと思って調べてみたのですが、種類が多すぎて、何から選べば良いのか分かりません。高いものだと50万円以上するものもあるようなので、手が出せないのですが。。。

D) これからカメラを使ってみたいという人には、各メーカーが出している入門機から初めて見るのはいかがでしょうか?

 正直、プロ向け、ハイアマチュア向けと言われていますが、プロは値段だけで購入していないので、予算の中で考えればいいと思いますよ。

 ミラーレスカメラは各メーカーが開発に力を入れているので、これからカメラを初めてみたい人向けに、手に取ってもらいやすい価格が設定されているのもあります。

 種類も豊富なので、メーカーや持ちやすさ、カメラの外観など好きなポイントで決めることが可能ですね。

 最初のうちはあまりカメラの性能を気にせず、好きなデザインではじめてみて、もっと撮ってみたいと思った時に、それにあった機種を選べばいいと思いますよ。

 カメラ自体も毎年のように新しい機種が出ますから、その時に売られているカメラでまた選べばいいと思います。

N) でもミラーレスカメラって、レンズ交換式と聞きました。レンズも買わないと撮影できませんよね。
 「レンズは高い」って聞きますが、やはりレンズは良いものを買わないと綺麗な写真が撮影できませんか?

D) そんなことはないです。初めてならレンズがセットになっているレンズキットを選択するのはどうでしょうか?

 「カメラをはじめるならズームの出来ない単焦点レンズを買わないと!」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、これからスタートするのであれば、気軽に始められるキットを購入する方が良いと思います。

 カメラと同じく、レンズにもたくさんの種類があるので、何枚も撮影していくうちに、こんなシーンで撮影がしたい、或いは撮影したい物事や人がわかった時点で、新しいレンズを購入すればOKです!

M) 私も先日、パパ友がカメラをはじめたい言っていたので、一緒に買いに行ったのですが、選んだカメラはレンズがセットになっているものでした。子供のサッカーの応援の時に一緒に撮影していましたが、とても綺麗に撮れていましたよ。

N) お二人ともありがとうございました。

D) カメラを選ぶ過程も楽しいと思います。まずは無理のない範囲で写真を楽しむことが大切だと思います。ぜひ楽しんでください!

M) とにかくカメラに触って、たくさん写真を撮ってみるといいですよ。そうすれば自ずとスタイルが確立されて、必要な機材が何かを考えるようになるでしょう。その時に、必要なものを買い足していくのがいいと思います。
 写真を楽しむことが私も重要だと思いますよ。

その後、とった行動とは!

もう、すぐにでもカメラを買って、子供たちを撮影したいので、買いに行ってきます!と言って、一足先に撮影現場を後にした私。

この突撃から数日後、気がついた時にはミラーレスカメラが私の手元にありました。

なんせ、突撃の帰り道に家電量販店へ行って、試してみたんですから。

「鉄は熱いうちに打て」とは正にこの事ですね。

ではまた。

文:NOVY 写真:NOVY / Daisuke Kinoshita

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