酒場のカリスマ・吉田類氏が名付け親となり、 酒場好き編集者が、酒場をめぐるり、酒場を語るときにだけ許された酒場ネーム、それが吉田マッスグ。その吉田マッスグが東京を中心とした酒場のスペシャリテを紹介。空間、大将、女将、酒、ロケーション……。酒場のスペシャリテは料理だけにあらず!
カウンターにはアクリルボードが置かれ、いまはコロナ前のように飲めなくなってしまったが、吉田マッスグが懐かしの酒場を回想していく。
立ち飲み いこい本店【東京都・赤羽】
“せんべろ”という言葉が市民権を得て久しいが、その「千円でべろべろに酔える」を地で行く酒場である。上野【立飲み たきおか】、現在、都内を中心に30店舗以上の直営店を展開する【晩杯屋】の創業者も、この店の出身と聞けば、いかに【立ち飲み いこい本店】がレジェンドな酒場か分かってもらえるだろう。
そんな酒場を楽しむにはちょっとしたルールもある。酔っ払っての入店ができない、入店時にスタッフの案内があるまで勝手に席につかない、スマホなどでの店内撮影禁止などである。特段、厳しい掟というわけではないが、酔っ払って入店できないということは1軒目に訪れる必要があることを意味する。つまり、酒場の聖地・赤羽ではしご酒を楽しむなら、最初の目的地はここに設定しなければならない。ちなみに、キャッシュオンデリバリー、タバコの吸殻は床に捨てるという立ち飲みによくあるルールも存在するので覚えておこう。
さて、千円でこの店をどう楽しむかは人それぞれだが、おすすめはこんな具合だ。乾杯の一杯は生ビール390円(赤星もあるが大瓶なのであえての生)、つまみはもつ煮込み130円、まぐろ刺身150円が鉄板だろう。2杯目は価格重視で焼酎ハイボール220円を飲り、合わせるのはいわし天ぷら160円。すると締めていくらか? あれ!? 1050円……。千円でべろべろにはなれないが、50円の計算ミスも“せんべろ”を思う存分楽しんだ証拠だろう。
※写真はコロナ前に撮影されたものです。
<店舗情報>
東京都北区赤羽1-3-8
営業時間:11:00~21:00
定休日:不定休
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