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ESSAY

料理下手な男、鍋でごはんを炊く。

こんにちは。妻の料理の写真を撮ってインスタグラムに載せてるけど料理を作るのは苦手な男、AKIPIN(あきぴん)です。

前回のコラムでは、ぼくがはまっている「蒸籠で蒸してから作るトースト」についてご紹介させていただきました。

そのあと考えたのですが、「料理を作るのが苦手な男」が紹介する料理器具や調理方法に、読者はどのような興味を持ってくださるのでしょう?

「だれも興味ない」などと浮かんでしまった貴方はあわてんぼう。あわてないあわてない。
読者にもいろんな方がおられます。

ここは、33年前に高校の数学で中谷先生から教えてもらった「場合分け」という方法を使って、読者層をモレなく分類し、数学的に、知性的に、答えを導いてみましょう。

——————————————

case1  料理好きな読者の場合

→書かれている器具や方法くらいすでに知っている

 →したがって、興味ない

——————————————

case2 料理好きじゃない読者の場合

→書かれている器具や方法に興味がない

 →したがって、興味ない

——————————————

  →したがって、だれも興味ない

——————————————

あっ。

さて、今回ぼくがご紹介したいのは、

「鍋でごはんを炊く」

です。

先ほどは数学的で知性的な検討の結果、身もフタもない答えがあっさりと出ました。あわてんぼうの方も正解でした。というか別にあわてんぼうではありませんでした。
そこは申しわけありませんでしたとは思っていますが、今回もご紹介していくのです。
このウェブサイト『ブラトラ』の読者は優しくてあたたかい方ばかりですから、そのあたたかい目で優しく見守っていただけると思っているのです。
よろしくおねがい申し上げます。

料理を作るのがすこぶる苦手なぼくですが、実はぼく、鍋でごはんを炊けます。
まあまあ意外ではないでしょうか?

みなさんは炊いたことがありますか?鍋でごはん。

お読みくださっている方の中にも、「それはない」という方はおられるのではないでしょうか。ごはんは優れた炊飯器で炊かないと美味しくないんじゃないか、と。
当然ながらぼくはそう思っていました。

ぼくがそう思っていたのは明確な理由があって、子供のころに何度か経験したキャンプでの飯盒炊爨で美味しく炊けたことがないからです。飯盒炊爨で。はんごうすいさんで。
今さらっと書きましたが、ぼく、生まれて初めて”はんごうすいさん”を漢字変換しました。めっちゃ難しいですね”飯盒炊爨”。
“爨”という字をよく見ると、下は”焚”みたいな字で、上は”興”みたいな字。
“焚+興”で、勢いありますね。薪木を下からボォーッ!と燃やしてその炎でグツグツ沸き上がってる感出てる。すごい盛り上がってる。早く引き上げないと焦げそう!でもあの”曲がった豆”みたいな形の容器めっちゃ熱そう!

かつて飯盒炊爨は成功しませんでしたが、鍋での炊飯は、妻から教えてもらってできるようになったのです。今も(失敗したらどうしよう)という緊張感がないと言えばうそになる・・というかけっこうありますが、だいたいうまく炊けます。

鍋で炊いたごはん、ものすごくおいしいんです。
おいしすぎて、わが家にはいつからか炊飯器が消え、すべてのごはんを鍋で炊くようになりました。

では、料理下手なこのぼくがいったいどういう流れで鍋でごはんを炊くというのか?

その流れを簡潔に、全14ステップでご紹介します。

「多いわ!」などと思った貴方はおこりんぼう。
よろしければ、ご参考になさってください。

ステップ1. 「私、今日の夜、帰ってくるの19時半になるねん。おかずはもう作ってあって温めるだけやし、その時間にあわせてごはんだけ炊いといてもらっていい?」

※妻から突然依頼される

ステップ2. 「ごはん?・・・お、おう☆」


※忘れたらどうしようと不安になる
※不安でも、了承するからには最後はなるべくさわやかな声を出すと性格が良い

ステップ3. スマホのリマインダーアプリに登録する

※17:00 こめあらう
※17:15 こめあらった?
※18:30 そろそろごはんたく
※18:45 ごはんたく
※19:00 ごはんたく!!

ステップ4. 無水鍋(R)に米と水を入れて研ぐ

※わが家のお気に入りの無水鍋(R)を使う
※「無水鍋(R)」は「株式会社HALムスイ」の登録商標であるため、(R)と書いている
※宣伝目的のコラムではない

ステップ5. 鍋に水を入れて一定時間、浸け置く

※こんなことが必要って2年前くらいまで知らなかった

ステップ6. 浸け置きの水を流し、炊くのに必要な水を入れ、蓋を閉めて中火にかける

ステップ7. 飯盒炊爨をちょっと思い出し・・はしない

ステップ8. 数分後、蓋がカタカタカタカタ!といきなり震え出す

※場合によっちゃ少し吹きこぼれる
※動揺しない

ステップ9. 弱火にし、キッチンタイマー15分をセットする

ステップ10. キッチンタイマーが鳴ったらキッチンタイマーと火を止める

※キッチンタイマーだけを止めてたこと何度かある

ステップ11. 蒸らすためにそのまま5分くらい、5分くらい待つ

※そのままずっと忘れてたこと何度かある

ステップ12. 蓋を開けてしゃもじで混ぜる

※なんとなく下から上にな感じで
※このときの感触で、問題なく炊けたであろうことにめちゃくちゃ安堵する

ステップ13. 「ただいまー」

ステップ14. 「おかえり!あ、ごはん炊けてるし〜」

※がんばった感出さないほうが性格が良い

ぼくの炊いたごはんはこのあと、妻がつくっていたおかずと合流し、おいしい食卓の大事な一部となります。

以上、料理下手なぼくでもちょっとだけ役に立つことができた、ちょっと自慢げな日の一幕でした。

あ、ここに記載した調理時間や様子等は、「HALムスイ」の無水鍋(R)を使ってわが家のコンロで炊くときのものであり、鍋や火力によって異なるはずですのでご注意を。
ちなみに近年は「STAUB」の鍋で炊くごはんもおいしくて、それもおに気に入りです。

でもまあ、ここまで書いておいてあれですが、ちゃんとした炊飯器を使って炊いたごはんもおいしいですよね。
近年の炊飯器はまたすごく進化してるとも聞きます。

※自分の好きなものを主張したいからといって、自分目線の主張ばかりはしないほうが性格が良い

それではまた次回。
次回ももしよろしければ、よろしくお願いいたします。

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